2026年8月2日 2026入選者とのトークイベント
8月2日には2026ボローニャ展入選者のみなさんにお集りいただき、トークイベントを開催しました。今回のボローニャ展では、世界94の国と地域から4,158作品の応募があり、国籍の異なる5名の審査員による選考を経て、含む33の国と地域から75作品が入選しました。日本から7名の方が入選し、今回は、うめだよしのさん、小野寺美帆さん、楓真知子さん、木ノ瀬滉さん、寺澤智恵子さんの5名の方々が登壇してくださり、作品の内容・技法や、入選しての感想などをお話いただきました。
うめだよしのさんは、2025年に続き2年連続での入選です。うめださんの前回の入選作品は、この夏に「En las flores」というタイトルでチリで出版されたばかりです。ボローニャ展の入選やボローニャでの出会いから、1冊の絵本が生まれたことは、当館としてもとても嬉しいニュースでした。今回の入選作品「わたしのさがしもの」は、蝶々が探しものを見つけようと旅をし、その途中でさまざまな経験をするというお話です。オイルパステルを用い、部分的に細かなスクラッチが施されています。5つの場面すべてに主人公の蝶々が描かれ、ひとつの物語の絵であることをより強く意識して制作をしたそうです。
小野寺美帆さんは、2024年に続く2度目の入選です。小野寺さんの入選作品「てつだって」は、10センチ四方の小さな銅版画です。絵本にするには小さすぎるのではないかと思っていた小野寺さんですが、2025ボローニャ展でシドニー・スミスさんの特別展示を見たときに、とても小さなサイズの絵本原画もあったことに驚き、それに背中を押されて応募したのだそうです。銅版画はとても時間がかかりますが、この技法で制作を続けていきたいと言っていました。なお、小野寺さんは韓国のナミ・コンクールでもグリーン・アイランド賞に選らばれています。
楓真知子さんは今回が初入選です。これまで絵本作家・イラストレーターとして活躍され、展覧会での発表も積極的にされてきました。今回の入選作品「ねこの生活」は、身近なねこたちの日常をアクリル絵具で描いた連作のなかから選んだ5枚だそうです。応募時にはまだ物語が明確になっていなかったそうですが、現在、入選作品を元にした試作本を作っているとのことです。すでに絵本を何冊も出版している楓さんですが、今回ボローニャ展に入選したことによって、「自分のことを絵本作家と言おう」と改めて思ったそうです。
木ノ瀬滉さんも今回が初めての入選となりました。木ノ瀬さんは板橋区立美術館の2025ボローニャ展を見て、今回初めて応募をしたと言います。森の中の白いトラを描いた入選作品「心象の庭」は、小さな絵を展示するグループ展のために描いた2枚の絵に、3枚を描き加えたのだそうです。この5枚で物語の全体像が出来上がったわけではないけれど、まず言葉によって絵のイメージを作り、それから実際に絵を描くという制作プロセスをお話くださいました。
寺澤智恵子さんは2023年に続いて2回目の入選となりました。前回は少々コミカルな雰囲気もある作品でしたが、今回は、ご自身の作品のなかでも、より暗い雰囲気の絵を応募したと言います。応募するために選んだ5枚を元にして、白猫と黒猫を主人公した物語「待ち合わせ場所へ」を考えたそうです。寺澤さんも普段は銅版画家として活動していますが、今回は思い切ってデジタル技法で彩色をしたことについて、自分の表現したいものに応じて表現方法を変えていくことにもチャレンジしたいとお話していました。
また、小野寺さんと寺澤さんは春のブックフェアに参加した体験もお話くださいました。お二人とも2度目の参加ということで、前回の反省をふまえて準備をしたり、体調をととのえたそうです。歴史的な円安のなかでの海外旅行は大変だったそうですが、やっぱり行ってよかったと言っていました。
最後にこれからやりたいことや、今後の予定についてみなさんに一言ずついただき、終了となりました。改めて、2026ボローニャ展の入選、本当におめでとうございます。これからのみなさんの活動や絵本の制作を楽しみにしています。

