2022年5月22日 スライドトーク2回目

このページの情報をツイッターでツイートできます
このページの情報をフェイスブックでシェアできます
このページの情報をラインでシェアできます

ページ番号4001573  更新日 2022年5月22日

印刷大きな文字で印刷

本日5月22日(日曜日)に開催中の「館蔵品展 井上長三郎・寺田政明・古沢岩美の時代」展のスライドトークを行いました。

本展覧会では、画家を志す熱い想いを胸に上京し、戦前は池袋モンパルナス、戦後は板橋区に住居兼アトリエを構えた3人の画家を紹介しています。

それぞれ若い頃から晩年に描いた作品まで、時代とともにお話しました。

井上長三郎(1906-1995)は、政治や社会に関心を持ち、問題の裏側に隠された真実を明らかにしようと描きました。
彼の作品は、戦中には時局にそぐわないとして撤去されたこともありました。戦後は砂川事件、ベトナム戦争などの被害者の姿、画一的で滑稽な議員たちの姿を描くことを通じて、時にはユーモアも交えて人間とは、社会とは何かを問い続けました。

画像1

寺田政明(1912-1989)は、小熊秀雄や山之口貘といった詩人、長谷川利行や靉光といった画家たちとも交流し彼の芸術をかたち作りました。寺田は戦前より木の芽や鳥や虫、魚といった命あるものを慈しむように描いています。生き物を描くこと、絵があることで今の自分があると繰り返し述べています。

画像2

古沢岩美(1912-2000)は、22歳のときに師の岡田三郎助邸を出て、画家たちの集う「池袋モンパルナス」を拠点とし、シュルレアリスムをはじめとする前衛絵画に関心を寄せます。従軍し、捕虜となった後に復員した古沢は戦後、自らの従軍体験を元に戦争とエロスをテーマに美術界に議論を巻き起こしながらも力強く描き続けました。

画像3

三者三様の作品をご紹介しました。

ご参加いただきありがとうございました(参加者8名)。

スライドトークは5月28日(土曜日)にも開催します。
14時から14時45分まで(開場は13時30分)
定員は40名、当館1階講義室にて、聴講無料、申込不要、当日直接会場にお越しください。

展覧会は6月5日(日曜日)までです。お見逃しなく!