2022年7月10日 ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア総復習

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ページ番号4001610  更新日 2022年7月10日

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7月10日には、絵本評論家の広松由希子さんと当館館長の松岡希代子の対談「2022ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア総復習」を開催しました。2016年から始まった2人の対談は今回で6回目。昨年と一昨年はオンライン配信となりましたが、今回は久々に参加者のみなさんに集まってもらって開催することができました。

2022年のボローニャ・チルドレンズ・ブックフェアは、コロナ禍を経て3年ぶりに現地開催が実現しました。しかし開催1か月前に起こったウクライナへの軍事侵攻の影響もあり、日本から参加することは非常に難しくなってしまいました。したがって、広松さんも松岡も現地には行けなかったのですが、ブックフェアで行われた新しい取り組みや最新のトレンド、ウクライナ危機を受けての反応など、たくさんの写真を織り交ぜながら、今年のブックフェアについて、まずは松岡が報告をしました。

トークの後半は広松さんによるラガッツィ賞受賞作の紹介です。この賞は、ボローニャのブックフェアが主催する賞の中でも、国際絵本原画展と並んで大変重要な賞です。出版された絵本が対象となり、フィクション、ノンフィクション、新人賞、コミックといったカテゴリーに分かれて審査されます。受賞すると世界的に注目され、日本でも翻訳出版されるものもあり、大きな反響があります。

広松さんは、今年のラガッツィ賞について、とてもいいセレクションであると述べられ、具体的に一冊一冊ページをめくりながら解説してくださいました。受賞作の中には、グラフィックノベルやサイレントブックといった近年のトレンドをとらえたものもありますが、その取り入れ方が洗練されていたりひねりが効いていたり、さすがラガッツィ賞と思わされる絵本が多く見られます。また、昨年に引き続き「詩の本」の部門が設けられ、児童書における詩の重要性が改めて見直されるきっかけとなりそうです。どの本も、イラストやブックデザインとともに内容も多彩で、広松さんの丁寧な解説を聞くと改めて受賞作を手に取りたくなりました。

あっという間の1時間半の対談。最後にはブックフェアのサイトにアップされている様々な動画をご紹介しました。華やかなブックフェアの様子を見ていただき、2020年のボローニャのブックフェアの雰囲気を味わってもらえたでしょうか。2023年版のブックフェアは、日本からも多くの人が参加できますように!

2022BCBF総復習1

2022BCBF総復習2