2022年9月27日 夏のアトリエ1

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ページ番号4001712  更新日 2022年9月28日

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「夏のアトリエ」は、当館のボローニャ展の恒例イベントです。絵本作りの第一線で活躍する専門家を講師に、イラストレーター約20人が参加するワークショップで、5日間連続で開催されます。これまでに国内外の編集者や作家など多数の方を講師にお招きし、ベテランイラストレーターから若手まで、多様な受講者が参加します。本講座をきっかけに出版された絵本も少なくありません。
コロナ禍の2年間を経て、今年こそはと7月末に予定していたのですが感染急拡大により、開催が9月末に延期となっていました。こうして、いよいよ今週から3年ぶりの「夏のアトリエ」の始まりです。

 今回の講師はブロンズ新社代表の若月眞知子さんです。話題の絵本を次々に出版し、ボローニャのブックフェアでも大変な注目を集めています。これまでにラガッツィ賞を受賞したり、2020年にはボローニャ展の審査員を務めるなど、ボローニャ展ともゆかりの深い若月さんが、ついに「夏のアトリエ」の講師に来てくださるとあって、多数の応募がありました。
今回のテーマは、おもに0、1、2歳の幼い子どもにむけた「ファーストブック」です。日程が延期となりましたが、予定していた20名の参加者は全員参加。みなさんがこの講座をとても楽しみにしていたことが分かります。

初日の朝に集まった20名の参加者は、少々緊張の面持ち。静まり返った会場は、「夏のアトリエ」初日の風物詩です。
午前中は、ブロンズ新社の活動や、これまでに手掛けたファーストブックのお話。その後、最初のエクササイズとして、五味太郎さんの『らくがき絵本』からの抜粋をそれぞれに配り、半分描いてある絵に、30分ほど自由に描き込みをしました。(『らくがき絵本』は若月さんが最初に出版した絵本です)午前の最後は、ひとりひとりが描いた「らくがき」を見せながらの自己紹介となりました。絵を描く者同士、絵を見ればやはり通じるものがあったのでしょうか、その後のお昼休みには自身の作品を見せ合ったり、緊張が少しずつほぐれていく様子が見られました。

午後にはさっそく課題に入ります。今回はそれぞれの「ファーストブック」を作ります。若月さんは、この講座参加者一人ひとりのために「束見本」も用意してくださいました。まだ何も書かれていない、表紙も中身も真っ白の、24ページの正方形の絵本。それを手に取る参加者たちのワクワクする表情が印象的でした。
いつのまにか会場内は再び静まり返り、早くも制作モードに突入しました。それぞれに、アイデアのメモを書いたり、スケッチを重ねたり、若月さんがサンプルにお持ちくださった絵本を見たり。ときには若月さんに相談して、絵本の展開を固めていきます。

講座の終了後には、少しだけ時間をとって気楽なお話会を行いました。初めて来館した参加者に当館の印象を聞いたり、改めて自己紹介したり、若月さんやほかの参加者への質問をしたり。筋トレや猫の話なども盛り上がり、参加者同士も打ち解けてきました。

ボローニャ展も夏も終わってしまいましたが、それでも、熱い「夏のアトリエ」の雰囲気はいつも通りです。

夏のアトリエ1

夏のアトリエ3

夏のアトリエ4