2022年9月10日 内藤正人先生講演会

このページの情報をツイッターでツイートできます
このページの情報をフェイスブックでシェアできます
このページの情報をラインでシェアできます

ページ番号4001702  更新日 2022年9月10日

印刷大きな文字で印刷

9月10日(土曜日)慶応義塾大学文学部教授の内藤正人先生にご講演を賜りました。

内藤先生は浮世絵や江戸琳派について造詣が深く、出光美術館の学芸員としても活躍されていました。近年の著作に『勝川春章と天明期の浮世絵美人』(東京大学出版会)があるように、美人画の研究に定評があります。今回は、美人画を複数展示している今回の館蔵品展に合わせ「江戸の美人画ばなし」のタイトルでお話くださいました。

まず、江戸時代に美人画が隆盛するまでの歴史を学びました。大画面の屏風に描かれた洛中洛外図の群像から、邸内遊楽図や歌舞伎が描かれた四条河原遊楽図へとクローズアップし、掛軸に描かれる単独の美人画として独立していく過程を、豊富な作例を用いてわかりやすくお伝えくださいました。

次に、美人画といえばなぜ遊女が多かったのかということを、歌舞伎の歴史を絡めて知ることができました。歌舞伎を遊女屋が興行していた実例を、画中に書かれた文字情報からも明らかにして下さり、客席からは感嘆の声が漏れていたようです。

最後に、時代とともに美人画の面相も変わってくることを、菱川師宣、宮川長春、勝川春章、葛飾北斎という系譜から辿っていきました。比較すると面相も変化に富み、流行の顔立ちの移り変わりが感じられました。

90分のご講演があっという間で、参加した皆さんは熱心に聴講されていました。もう一度展示室で作品を見たい!と講義室から展示室へ向かう方も少なくなかったようです。「美しい」だけではない、知れば知るほど奥が深い、美人画の魅力をわかりやすく伝えてくださいました。内藤先生ありがとうございました。

(参加人数38名)

 

kouen1

kouen2