2025年7月26日 しかけ絵本をつくろう「ジグザク折りのとびだすしかけ」1日目
7月26日と27日の2日間で、小学生向けの絵本づくり講座「しかけ絵本をつくろう」を開催しました。講師は、グラフィックデザイナーで絵本作家の岡村志満子さんです。志満子先生は、長年この小学生対象のしかけ絵本作りを担当してくれていますが、毎年異なるしかけをテーマにしています。しかけ絵本は子どもから大人まで大人気ですが、その基本となるしかけにはたくさんのバリエーションがあり、それを使って多彩な表現ができることを教えてくださいます。今回みんなで挑戦するのは「ジグザク折りのとびだすしかけ」です。
1日目のお昼過ぎ、ちょっと緊張しながら子どもたちが集まってきました。まずは志満子先生がジグザグ折りのしかけ絵本のサンプルを色々と見せてくれました。すべて今回のために志満子先生が手作りしてくれたものです。ページをめくると、お家や恐竜、海の情景などが立ち上がります。シンプルなものから、とっても複雑に見えるものまで、いろいろありますが、どれも基本の仕組みは同じです。
まずはみんなでジグザグ折りのしかけの基本を学びます。大小2枚の紙が配られ、大きい紙は二つ折りにして台紙となります。しかけ用の小さい紙はジグザグ折りにして、のりしろ部分を作ります。角度や貼り方などにいくつか注意するポイントがありますが、志満子先生が順を追って説明してくれるので、低学年の子たちもみんな基本のしかけを練習することができました。
本番に入る前に、絵コンテづくりをしました。どんな絵本にするか、絵本の中のページをスケッチするためのものです。今回は3つ以上の場面を作り、そのうち1つにはしかけを入れて絵本に仕上げるというのが課題。絵コンテの紙の前で、ちょっと悩んでいた子もいますが、先生や美術館スタッフと相談しながら、自分の好きなものや、夏をテーマにしたもの、お話仕立てのものなど、いろいろなアイデアが出てきました。
この講座は、13時30分から16時30分までの3時間。小学生にとっては長く感じるかもしれません。絵コンテづくりの途中で休憩を入れて、少し息抜きをしました。
後半は、本番の色画用紙を使って本の中身の場面に取り掛かりました。色とりどりの画用紙のなかから、子どもたちは台紙としかけの紙を選び、さっそく制作を始めました。練習で作ったしかけを見ながら、色画用紙を切って組み立てますが、自分の絵本に合うようにアレンジを加えたり、迷っているところや難しいところは志満子先生に相談したりして、自分だけの絵本づくりが始まりました。
「しかけ絵本をつくろう」は小学生だけが対象です。送り迎えに保護者の方が付き添ってきても、受講するのは小学生だけ。美術館に来るのが初めての子もいるのでドキドキしたかもしれませんね。でも参加した子どもたちは、絵や工作が得意だったり、絵本が好きだったり。講座が始まったらみんな自分の制作に集中してくれました。
2日目は、絵本の中身を仕上げて、製本作業をします。最後には発表会も予定しています。どんな絵本が出来上がるか楽しみですね。
志満子先生は、作ってきてくれたさくさんのサンプルの絵本をお部屋の真ん中に並べて、子どもたちがいつでも参考にできるようにしてくれました。このなかには、なんと板橋区立美術館の絵本もありました! 1ページ目は美術館の外観、2ページ目は2階で開催しているボローニャ展、そして3ページ目が「しかけ絵本つくろう」の様子です。