2025年7月30日 展示会「ニュー・スパニッシュ・ブックス」
7月30日には、スペインの新しい絵本の展示会を開催しました。今回展示したのは、「ニュー・スパニッシュ・ブックス」のために集まってきた新しい作品です。このプロジェクトは、毎年スペインの出版社を対象に翻訳出版を希望する書籍を募り、それらのなかから5名の選考委員によって選ばれた書籍についてはスペイン語の専門家による詳細なリーディングレポートも作成し、ウェブサイトで紹介するというものです。選ばれなかった書籍についてもあらすじや書誌情報を日本語訳してウェブサイトに掲載されます。日本の出版社が関心を持った場合には、スペインの版元に直接連絡を取ることができます。
「ニュー・スパニッシュ・ブックス」はスペイン貿易投資庁(ICEX)によるプロジェクトで、日本ではスペイン大使館経済商務部が運営しています。今回はスペイン大使館経済商務部にご協力により当館での展示会が実現しました。感謝申し上げます。
展示会では、おもに2022年度と2023年度の応募で集まった書籍のなかから、児童書を中心にご紹介しました。絵本だけでも約100冊、そのほか読み物やコミックもお借りできたので、全部で約180冊もの書籍が当館の講義室にずらりと並びました。ボローニャ展の関連イベントとしては、講演会やワークショップはこれまでにも多数開催してきましたが、「展示会」は初めての試みです。「ニュー・スパニッシュ・ブックス」の書籍は、タイトルだけでなく、あらすじ・著者・出版社の紹介もすべて日本語訳されていて、これらの情報は個々の本にも添付されているため、閲覧する際には大変参考になります。さらに「おすすめ」に選ばれた絵本のあらすじや試訳をまとめたリーディングレポートのファイルもあり、大充実の展示会となりました。
スペイン大使館経済商務で本プロジェクトを担当されている金関さんが午前中から展示準備の監修にきてくださり、13時30分の予定開始時間よりも早めに開場できました。現在は展示室にも多数の絵本が並べられていますが、展示会でもたくさんのスペインの絵本をご覧いただけるとあって、絵本好きの集まるボローニャ展らしく、熱心な方々が立ち寄ってくれました。午後になると、この展示会を目指してこられた出版関係者も次々に集まり、みなさんじっくりと絵本をご覧になっていました。金関さんがプロジェクトについて個別に説明くださったり、スペイン語のできる来場者が他の来場者にお気に入りの絵本をすすめたり、ボローニャ展ならではの和気あいあいとした雰囲気も見られました。海外の新しいイラストレーターたちをプロモーションするボローニャ展で、新しいスペインの絵本を紹介することができ、貴重な機会となりました。金関さん、来場くださったみなさん、ありがとうございました。
なお、2024年度は「ニュー・スパニッシュ・ブックス」の募集・選考は行われず、ウェブサイトのリニューアルを経た2025年度の募集はちょうど7月末に終了したそうです。1冊1冊の書籍の内容を確認したり、日本語に翻訳するのは大変な作業ですが、次の「ニュー・スパニッシュ・ブックス」の準備がすでに始まっています。お楽しみに!