桜川小学校・桜川中学校(令和7年12月19日訪問)

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ページ番号1060915  更新日 2026年1月20日

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教育長訪問記

 12月19日(金曜日)桜川小学校と桜川中学校を訪問しました。研究奨励校の研究発表会に参加するためです。

 桜川小学校の教育目標は「助け合う子ども 考える子ども たくましい子ども」で、桜川中学校の教育目標は「よく考え実行する生徒 心の豊かな視野の広い生徒 健康でたくましい生徒」です。

 この両校は、1小・1中の「桜川 学びのエリア」として、連携してさまざまな教育活動に取り組んでいます。例えば小中合同のあいさつ運動、小学生による中学校での授業見学及び中学校ガイダンス、部活動体験、中学生による小学校での職場体験、中学生の美術等の作品を小学校で展示するなどです。そして9年間のめざす子ども像は「自分の考えや思いを表現し、他の意見も聴くことができる子ども 主体的に考え、判断して、課題をやり遂げる子ども 地域の中で育ち、地域で活躍する子ども」となっています。

 令和6年度、7年度は両校が協力して研究奨励校となり、研究主題は「探究し続ける児童・生徒の育成」です。9年間の学びの連続性・探究的な学習プロセスを意識し、カリキュラム・マネジメントの視点をもって進めてきました。

写真:研究発表会の概要
研究発表会の概要


 当日は、まず桜川小学校で研究授業を見て、終了後には道路を隔ててすぐ隣の桜川中学校に移動し、中学校の研究授業を見ました。その後に研究発表会と講師の先生による講演がありました。両校が緊密に連携・協働して行われた研究は有意義なものでした。


写真:生活科・総合的な学習の時間の9年間の単元配列表
生活科・総合的な学習の時間の9年間の単元配列表


 上の写真は、生活科(1年生~2年生)と総合的な学習の時間(3年生~9年生)の9年間の単元配列表です。これを見ると、どの学年でどのような内容の学習が行われるのかが見通せるようになっています。上下の学年の学習内容の関連なども可視化されていますので有益です。

 当日は、桜川小学校では八代校長に、桜川中学校では前田校長に、それぞれ校舎内を案内されて研究授業を見ましたが、どの学級でも探究する内容と方法などが綿密に計画されていて、児童生徒が生き生きと課題に取り組む姿がありました。



写真:3年生「けんこう名人になろう」
3年生「けんこう名人になろう」


 上の写真は3年生の授業「けんこう名人になろう」です。興味深いのは、どの学級でも言えることですが、探究のためのツールが有効に活用されている点です。探究的な学習では、児童生徒が問いを立て、それをもとに個人または協働で探究していきますが、その際、学びや思考のプロセスを可視化しておく必要があるからです。写真の学級では、付箋紙やワークシートを用いて、学びを深めていました。


写真:4年生「桜川自然防衛隊」
4年生「桜川自然防衛隊」


 上の写真は4年生の授業ですが、電子黒板に児童が取り組むべき手順が明確に示されているのが特長です。これがあることで、児童はいま何をすべきか、その内容と方法が把握できますし、見通しをもって探究に取り組むことができます。


写真:6年生「私たちのキャリア」
6年生「私たちのキャリア」


 上の写真は6年生の授業ですが、思考ツールを有効に活用しながら児童が考えを深め、それを可視化させていることがわかります。それを教師が見取ることで、探究的な学びによって児童生徒にどのようなことが起こっているのか、どのような変容があるのかを把握することができて有益です。探究的な学習においては「学びの伴走者」としての教師が、児童生徒の問いがさらなる問いを呼び、学びが深まるような支援をすることが求められるからです。


写真:8年生「興味探究」
8年生「興味探究」


 上の写真は8年生(興味探究)の学級の板書ですが、授業のねらいや手順が明確になっている点が特長です。これは「板橋区授業スタンダード」と合致しており、生徒が主体的に問いを立て、自ら立てた課題に取り組むことを通して主体的に学ぶ姿勢を育てます。


写真:9年生「平和探究」授業の様子
9年生「平和探究」


 桜川中学校では7年生が自己探究、8年生が興味探究、9年生が平和探究に取り組んでいましたが(これ以外にも各学年で取り組む「〇〇探究」はあります)、このようにテーマが明確になっている点が特長です。上の写真は9年生が3学期の平和探究の成果発表会(平和フェス)に向けて作品づくりをしているところです。7年生から取り組んできた平和探究を、広島への修学旅行でさらに深めているようでした。また、下の写真は9年生がこれまでに取り組んできた平和探究の一覧です。たしかに7年生の時から取り組んできていることがわかります。このように学んだことや、その過程を可視化することは生徒の自己肯定感を高めることにつながり有意義だと思います。


写真:9年生の探究学習の歩み
9年生の探究学習の歩み


 では2年間の実践研究で何が変わったのでしょうか。

 八代校長の話では、桜川小学校で地域との連携・協働により探究的な学びを推進するようになって、児童がより地域に対して興味・関心をもつようになった、地域に貢献したいという意欲が高まったとのことでした。郷土愛の醸成につながる教育活動といえます。探究的な学びでは地域に目が向くことにとどまらず、自分自身に目を向けることもありますし(キャリア学習など)、仲間との協働的な学びで他者に目が向くものもあります(グループ学習など)。つまり自己理解・他者理解・地域(社会)理解を促す学びになるのです。

 前田校長の話では、桜川中学校で探究的な学びに力を入れるようになって、生徒の思考力・判断力・表現力や、学びに向かう主体性などが向上し、その結果として総合的な学習の時間だけでなく、教科の学習への波及効果があったとのことでした。実際、令和7年度の学力・学習状況調査でもかなり上昇が見られました。探究的な学びに熱心に取り組むことで、自分で調べることや主体的に学ぶことが身につくのだろうと話されました。

 研究の成果として、発表資料には、他者との協働意識、地域・社会への貢献意欲の伸長、探究学習に対する意識統一と実践の充実、多様な表現方法の習得と定着、問いを生み出す力の高まり、主体的に学習に取り組む態度の育成の5点が挙げられていました。さらに、桜川小学校では「授業や学校生活では、友達や周りの人の考えを大切にして、お互いに協力しながら課題の解決に取り組んでいますか」という質問(全国学力・学習状況調査)に対して、6年生の児童のうち53.4%が「当てはまる」と回答しています(東京都平均49.6%)。桜川中学校では「総合の時間では自分で課題を立てて、情報を集め整理して、調べたことを発表するなどの学習活動に取り組んでいますか」という質問(同上)に対して、9年生の生徒のうち70.5%が「当てはまる」と回答しています(東京都平均32.6%)。

 このように2年間で多くの成果が得られた研究でした。この成果を区内の他の学校に広めてもらい、各校では有効活用してくれることを希望します。同時に、両校には探究だけでなく、他の教育活動も含めて、さらなる小中一貫カリキュラムの構築に向けて研究を深めてもらい、板橋区のモデルとなることを期待します。


(記・長沼豊教育長)

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