西台中学校(令和7年12月10日訪問)
教育長訪問記
12月10日(水曜日)西台中学校を訪問しました。この日は教育委員会事務局指導室による教育委員会訪問がありましたので、それに同行しました。
到着後、最初に内田校長から学校経営方針についてのお話を伺いました。本校の教育目標は「自ら学び実行する人 豊かな心と思いやりのある人 心身ともに健康な人」です。目指す学校像は「地域を愛し 地域に愛される 誰もが活躍できる 文化の薫り高い学校」で、この中でも「文化の薫り高い」という点を強調されていました。そのため、部活動では文科系の活動もさかんで、美術部や演劇部のほか、英語部や数学部、日本文化研究部などがあります。これらの部活動では成果発表も充実しているそうです。
教育目標を実現するための経営方針の一つに「インクルーシブ教育の推進」があり、例えば教室に入れない生徒向けの校内別室の「はぁとルーム」には、同窓会の寄付で個別ブース用の仕切りなどが整備され、居心地の良い空間になっていました。また、盲導犬ユーザーをゲストティーチャーとしたインクルーシブ教育授業も実施されています。
経営方針には「西台中探求学習の確立」も謳われており、食をテーマとした学習を通して地域愛を育む取り組みや、ユネスコスクール認定校としてSDGs教育に力を入れ、環境教育の確立を目指していることも特徴です。上の写真のように、どの授業でも学習指導案にSGDsの17の目標のうち該当する番号が記されていました。この授業は16番の「平和と公正をすべての人に」と、17番の「パートナーシップで目標を達成しよう」に関連しているということです。
上の写真は8年生の学級活動の時間でしたが、生命の安全教育でデートDVのことを取り上げていました。養護教諭とともに行うコラボ授業です。
上の写真は9年生の英語の教室の板書です。冒頭に到達目標が示され、目指すべきゴールが明確になっています。これは板橋区授業スタンダードの形式です。どの教室にもこのマグネットボードがありましたので、学校全体で同じように取り組んでいることがわかります。これにより、本校のどの授業でもねらいが明確で、生徒がその授業で学ぶべき事柄を理解したうえで取り組むことができます。また、この授業では授業の流れが板書されており、生徒が内容とその手順も理解して授業を受けることができます。これは主体的な学びを促す上で重要なことです。
4校時の授業見学を終えた後は、控室で給食を有料でいただきました。メニューはバジルフランス(パン)、白菜のクリームシチュー、アーモンドサラダ、牛乳でした。栄養士が毎日発行しているという「おしゃもじ通信」(下の写真)も内容が充実していて、この日のニンジンは近隣農家の畑で収穫されたものであると書かれています。ちなみにその農家のかたは卒業生だそうです。このように地産地消を行い、郷土愛を育むなど、さまざまな教育的な視点をもった食育が行われていることがわかりました。
当日受け取った資料には内田校長が記した「西台中だより」11月号がありました。冒頭にはアドベンチャーゲームブックに夢中になった昔話があり、その魅力として選択を繰り返すことによって自分だけの物語ができあがることを挙げています。自分事としてとらえることが物語の展開に一喜一憂する参加者としての喜びにつながると。本校で取り組んでいるルールメイキングも、自分たちのルールを自分たちで決めることで、そのきまりを尊重する意識が高まり、集団に対する「自分事感」が強まります。これは学習に関しても同様で、自ら選択して行う学びは受動的な学びよりもその質が高いと書かれています。
自ら選択して、自分事として参加することの意義。これは私が推奨している「板橋区授業スタンダードS」の重要性ともつながります。Self(自分で)とSelect(選択する)のSです。授業にゲームブックのようなワクワク感が出てくるとよいと思います。
本校がこれから授業スタンダードSに取り組んで、ますます成果が上がることを期待しています。
(記・長沼豊教育長)
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