板橋区長杯中学生eスポーツ大会（令和7年12月14日訪問）

教育長訪問記

　12月14日（日曜日）板橋区内にあるクラーク記念国際高等学校（CLARK NEXT TOKYO）を訪問しました。板橋区長杯中学生eスポーツ大会の視察のためです。この大会は令和4年から開催され今年で4回目となるもので、昨年と同じく、開会の言葉を坂本区長が、閉会の言葉を私が述べるイベントです。

　令和7年は区内27名の中学生が参加して行われました。当日は朝から寒い雨が降っていましたが、会場は熱気に包まれていました。

　この大会の企画・運営はCLARK NEXT TOKYOの高校生が全て行い、教職員の皆様は見守るスタイルでした。司会、実況、解説、集計、機材、映像、音響、賞状などの全てを高校生が担って進めてくださいました。大会中、予選では短時間で終わってしまう試合があって予定よりも早く進行したため追加の試合を行ったり、決勝ではオンラインのトラブルがあったため試合を少し修正したりするなど、想定外の状況にも落ち着いて対処している姿が頼もしく、印象的でした。

　試合は令和6年と同様、予選も決勝も全てFall Guysという種目でした。どのラウンドも、参加した中学生の操作技術の高さや判断のスピードはもちろんですが、その真剣な取り組みの姿勢には圧倒されると同時に、とても魅了されました。

　予選を通過して決勝に残ったのは27人中15人。真剣なまなざしで試合に臨みました。試合は短時間で決するため、集中力は欠かせません。Fall Guysでは試合のフィールドから下に落ちてしまうと脱落です。さまざまなシチュエーションに適応して、ゴールめがけて進んでいかなければなりません。忍耐力、適応力、瞬時のそして適確な判断力も必要です。全身を使った通常のスポーツとは異なりますが、見ていて勝つためには総合的なスキルが必要とされると素人ながら思います。

　近年eスポーツは世界的にも注目を集め、大きく発展しています。日本でも高校生の全国大会が開催されていますが、CLARK NEXT TOKYOのチームは全国一位に輝いています。

　板橋区教育委員会では、令和5年度から部活動の地域移行の一環で、いたばし地域クラブとして「eスポーツクラブ」を創設しました。その活動はCLARK NEXT TOKYOを練習場所として、指導も含めて全面協力をいただき活動をしています。区内のさまざまな中学校から多くの生徒が毎週、活動を楽しみに集まってきています。現在は区内1箇所での活動ですが、さらに部員が増えた際には別の場所にも展開できると良いと思います。

　実は、令和6年度の第3回大会に参加した板橋区内の中学校9年生が、令和7年度CLARK NEXT TOKYOに入学して、高校1年生として全国大会に出場し、チームで全国優勝するという快挙も達成しています。つまり、この板橋区の大会が全国のeスポーツの拠点になりつつあるということです。このことを閉会式の総評でも皆さんにお伝えしました。

　今後ますますeスポーツが盛り上がり、発展することを期待しています。

　今回この大会の運営に携わってくださったCLARK NEXT TOKYOの高校生の皆様と教職員の皆様、参加した中学生とその保護者の皆様、副賞を提供してくださった協賛企業の皆様、その他関係する皆様に、この場を借りて感謝申し上げます。

（記・長沼豊教育長）