板橋第八小学校(令和6年11月29日訪問)
教育長訪問記
11月29日(金曜日)板橋第八小学校を訪問しました。この日は、本校が「令和5・6年度東京都教育委員会人権尊重教育推進校」として取り組んできた研究の2年次の研究発表会がありました。研究主題は「自分や他の人の大切さを認め、行動できる児童の育成 かかわり合いを通して」でした。
今田校長に案内されて、全13学級の授業を拝見しました。どの学級も人権尊重教育の視点を取り入れた授業でしたが、落ち着いた雰囲気で、じっくり課題に向き合っている児童の姿が印象に残っています。
2年生の学級活動では、学級会の議題を「冬の思い出 キラキラパーティーをしよう」とする話し合い活動が行われていました。学級のみんなで企画し実行するキラキラパーティーで何をして楽しい思い出をつくるのか、そのための工夫は何か、役割分担はどうするかを話し合う内容でした。この学級では4月から数えて10回目の学級会ということもあり、話し合いの仕方に慣れているという印象を持ちました。スムーズに話し合って集団で合意形成している様子は頼もしく、2年生とは思えないほど充実した話し合い活動でした。

5年生の特別の教科道徳の教材名は「名前のない手紙」で、学習指導要領の内容項目は「公正、公平、社会正義」でした。この教材は、クラスで起きたいじめが級友の励ましや勇気ある発言により解消に向かうという教科書内のお話で、人権課題とも関係する内容です。これを熟読したのちに、先生との対話形式で授業は進んでいきます。児童は主人公の気持ちに寄り添いながら考え、自分だったらどうするかも考えます。そして最終的には正義の実現のために大切な考えや思いは何かを考える授業です。児童は真剣に考え、先生の各発問に、挙手をして答えていました。

6年生の総合的な学習の時間の単元名は「共に生きる未来へ 板八万博を通して」で、単元の目標は「日本と様々な国や地域の文化や習慣などの違いについて調べたり、話し合ったりする活動を通して、外国人に対する偏見や差別意識をもつことなく、互いの文化などを理解し大切にするとともに、自己の生き方について考え、異なる文化をもつ人々と共に生きていこうとする態度を育てる」というものでした。人権課題に迫る内容です。この日の授業は、前の時間に開催した「板八万博」(学習に携わった方や外国の方、保護者、地域の方などを招待して行った発表会)を振り返って、その内容を踏まえつつ、外国の人々と互いに尊重し合い、ともに暮らしていくために自分たちができることを話し合うという学習活動でした。3人組で話し合った内容を画用紙に書いて、それを黒板に貼って質問したり意見を言ったりする授業展開でした。先生が上手に児童の意見を拾いながら進行していました。

本校では、当日の授業以外にも、人権尊重教育に関して多様な取り組みを実践してきていますが、例えば児童が安心できる環境づくりとして、児童の人権を考え教職員が気を付けるポイントを「板八スタンダード」にまとめています。これは学級の児童全員に毎日声をかけるように心がける、授業中は「名字+さん」付けで児童を呼ぶなどです。このような地道な教育活動を基盤として、当日の公開研究発表会があり、授業参観後の研究発表でも、その成果と課題を提示してくださいました。近隣の学校の先生が多数参加されていましたので、この研究成果を他校でも生かしていってほしいと思います。
本校の2年間にわたる研究に敬意を表するとともに、先生方には、この成果をさらに生かしていってほしいと願います。
(記・長沼豊教育長)
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