加賀中学校(令和6年12月19日訪問)

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ページ番号1055775  更新日 2025年1月15日

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教育長訪問記

 12月19日(木曜日)加賀中学校を訪問し、研究奨励校の発表会に参加しました。

 本校は「令和5・6年度 いたばしの教育ビジョン 研究奨励校」「令和6年度 板橋のiカリキュラム活用実践校」として(注1)、研究主題を「『読み解く力』の育成による学力向上 ~OUTPUTを通して、生徒の表現能力の向上を図る~」と設定して、研究を進めてきました(注2)。

 到着してすぐに松本校長に案内されて全学級の授業を拝見させていただきました。読み解く力の育成を掲げている研究である以上、「板橋区授業スタンダード」(注3)に沿って授業がなされているかどうかがポイントであると考え、そのことを確認しながら教室を回りました。

写真:9年生の英語の授業の様子
9年生の英語の授業

 板橋授業スタンダードに沿っているかどうかは黒板を見ればおおよそわかります。上の写真の授業は9年生の英語の授業ですが、黒板には授業のめあて、流れが書かれています。授業で何をするのか(めあて、目標)を最初に明確にしてから授業が始まったことが伺えます。また、どのような内容を授業で扱うのか、その順番が「流れ」として可視化されていますので、生徒はこの授業に明確なゴールを持ち、そのゴールに向かって何をすべきか理解することができます。その結果、見通しをもって学ぶことができると思います。


写真:7年生の美術の授業の様子
7年生の美術の授業


 上の写真の7年生の美術の授業でも、授業のめあてと流れ、取り組む課題がしっかり板書されていました。生徒が何を目指して何をするのかが明確になっている授業です。

 授業スタンダードに沿って、読み解く力の向上を図っていくためには、生徒が教科書の文章や図表などから丁寧に読み取ること(認識INPUT)、それを基に考えること(思考THINK)、分かったことを他者に音声・文字言語で伝えること(表現OUTPUT)を行う必要があります。本校では、このうちOUTPUT、生徒が表現することに重点を置いた授業研究を進めてきました。

 一般に授業のまとめでは、生徒が学習内容のまとめや振り返りを行って、シートに記入したり一人一台端末に入力したりします。またそれを他の生徒と共有したり、全体で発表したりします。そのことを通して、学習内容の定着を図ること、表現力を身に付けること、身に付けた資質・能力を自己認識することなど、学びの重要な構成要素です。

 本校では、生徒が振り返って表現することについて、「抵抗なくOUTPUTできるようになった」とその成果を報告冊子に記述しています。実際、参観した授業でも生徒が自然な形で(慣れた感じで)プリントやノートに書いたり、一人一台端末に入力したりしていました。先生が意図的に指導助言することで、このような力が付くことを研究してくれたことになります。

写真:研究成果のまとめの冊子
研究成果のまとめの冊子

 全教室の授業参観とその後の研究協議会の内容から、本校の研究のキーワードは「生徒を見取る」ことだとわかりました。生徒の学習状況を授業中に把握し、先生から個々の生徒への助言指導に生かしていくこと、それが個別最適な学びの実践につながっています。研究主任の先生による研究の成果発表でも、生徒を中心に据えることと、見取りを軸に行うことの重要性を示唆されていました。

 本校の公開研究会には区内の沢山の先生が参加され、研鑽を深めていました。各分科会の会場でも活発な協議が行われていました。本校の研究成果が他の学校でも生かされていくことで、区内の学校の授業の質が向上していきますので、ありがたいです。

 改めて本校の先生方の2年間にわたる研究に感謝を申し上げます。


(記・長沼豊教育長)


(注1)「板橋のiカリキュラム」とは、学力の定着・向上、発達段階に寄り添った指導によるつまずきの防止、子どもたちが安心して中学校へ進学できるようにすることをめざし、義務教育の9年間を意識した教育(小中一貫教育)を行うために作成したカリキュラム。様々な教科などで関連づけられており、「読み解く力の育成」「郷土愛の育成」「環境教育の推進」「キャリア教育の充実」を重点的な教育課題としている。

(注2)板橋区の「読み解く力」とは、教科書の文章や図表などから読み取ったこと(認識Input)を基にして、分かったこと、考えたこと(思考Think)を相手に音声・文字言語で伝える力(表現Output)

(注3)「板橋区授業スタンダード」とは、1単位時間あたりの授業で基本としている学習の流れを示したもの。小・中学校で授業のポイントを共有し、「板橋区授業スタンダード」を実践することで、子どもたちがじっくりと考え、学びあう「主体的・対話的で深い学び」をめざしている。

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