大谷口小学校(令和7年2月19日訪問)
教育長訪問記
2月19日(水曜日)大谷口小学校を訪問しました。教育長による「ぶらっと訪問」になります。前日の、しかも夕方に訪問が決まったにも関わらず、宮澤校長、鶴田副校長が笑顔で向かい入れてくださいました。
本校は、おおらかで、やる気をもって、くふうして、力を合わせる大谷口の子(頭文字が「おおやくち」となっています)という子ども像を掲げ、教育を行っています。校舎に入ってまず気付くことは明るいこと、そして空間が広く余裕があることです。そのため、落ち着いた、まさにおおらかな気持ちになりますし、子どもたちも伸び伸びと生活している様子がうかがわれます。

上の写真のように、一学年2クラスの教室はオープンスペースでつながっており、さらにその間にもう一つ教室があるという配置になっています。そのため、教室の固定的な空間ではなく、場所を変えて児童の多様な学びをアシストできるのではないかと思います。実際、私が推奨している自己調整型(タイプS)の授業も既に行われており、そのような授業では児童によってはオープンスペースや隣の教室を学ぶ場として選択(Select)して使っているそうです。広いスペースは2クラス合同で取り組む学習課題の時にも使っているとのことです。

上の写真は5年生の算数の授業で、立体の頂点の数、辺の数、面の数を調べてその関係性を考える内容でした。この写真の撮影直後、先生が説明し終えると、ある児童が「なるほど」と声をあげました。私はかつて中学校で数学の教諭をしていましたが、算数・数学は児童生徒にとって「わかる」「わからない」が比較的はっきりする教科ですから、この「なるほど」とか「わかった」という声はとても嬉しい言葉なのです。教師にとってマジックワードと言ってもよいかもしれません。この日、この言葉が聞かれましたので、とても満足な訪問となりました。
体育館では、4年生の体育の授業で、跳び箱を用いて台上前転をしていました。印象的だったのは、ある児童が一番高い台でうまくできたときに、他の児童がみんなで拍手を送っていたことです。おそらく苦手な児童が頑張って、チャレンジして回転できたのではないかと思い、隣にいらした宮澤校長に聞いたところ、やはりそのようなお子さんだということでした。子ども同士の素敵な関係性を見ることができて、清々しい気持ちになりました。まさに「おおらかで、やる気をもって、くふうして、力を合わせる大谷口の子」という言葉どおりの子どもたちです。
授業前に伺った話では、保護者や地域の方々がとても協力的で、学校経営のさまざまな場面でサポートをしてくださっているとのことです。そのため板橋区で力を入れている郷土愛に関する学習がやりやすく有難いとのことでした。
全体として、校舎内が明るい開放的な空間であることが特徴で、ゆったりとした空気が流れているという印象でした。それは宮澤校長の穏やかな人柄も反映されていると感じました。
本校は体育館が真ん中にあって、その周りに教室が配置されているというユニークな校舎で、改築した当時には、関係者がかなりチャレンジングに建築に取り組んだのではないかと推察しています。教育委員会の担当職員によると、平成に入って最初のオープンスペースを擁する学校改築だったとのことです。当時は斬新だったのかもしれませんが、これからの教育に求められる、子どもを真ん中に据えて自己調整・自己選択できる授業を可能にする校舎建築になっており、それらを有効活用した授業や活動の実践に期待をしています。

(記・長沼豊教育長)
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