2024年8月3日 ハリエットのアトリエ2日目

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ページ番号4001903  更新日 2024年8月4日

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「ハリエットのアトリエ」2日目です。この日はまず前に集まり、自己紹介をするところからはじまりました。
ハリエットさんは、1日目の最後に制作し、壁全体に貼られた野菜や果物、乗り物や動物たちを活用して自己紹介をするように伝えます。「とても細いのでトウモロコシを作りました」という風に必ずしも自分で作ったものを取り上げる必要はなく、例えば桃を指さして「桃が名産地の福島県の出身です」など、そこにある作品から刺激を受けながら自分について話していきます。参加者の皆さんは、普段されているお仕事についてや好きなものなどについてもお話され、それぞれについて知る機会となったようです。

そのあと、ハリエットさんより絵本作りの課題についてのお話がありました。
まず、昨日の課題として出た2つの物語のうち、自分にとって嬉しかったり楽しかった出来事をもとにしたハッピーな物語が回収され、自分以外の参加者のもとに配布されます。そのハッピーな物語と、自分で書いた悲しい物語のふたつを混ぜた全く新しい物語から、絵本をつくるというのです。論理的な方法でも実験的な方法でも構わず、作品の大きさやページ数も自由です。ハッピーな物語と悲しい物語という両極端なものが組み合わされることで、びっくりするようなものが生まれるとハリエットさんは言います。

そこからしばらく、ふたつの物語をもとに絵本を制作する時間になりました。はじめは本番の絵を描く前にスケッチしたり、全体の構想を考えていた方もいましたが、ハリエットさんは「スケッチはしないで」と声をかけます。終わりを決めず、絵本の1ページ目から順々に絵を描いていってほしいという言葉に、参加者の方たちも少し動揺した様子。全体のまとまりがなくなってしまうのでは、といった質問に対し、ハリエットさんは1日目に行った簡易的な冊子にさまざまなワークをしながら絵を描いていくエクササイズを例に、参加者のつくった冊子を見せながら、調和は考えて制作しなくてもおのずとついてくるものであり、なによりも「PLAY」楽しむことが大切であると答えてくれました。
そこからは皆さんと黙々と制作作業を行います。その間をハリエットさんは歩きながら参加者の方に声をかけたり、質問に答えてくれました。難しい質問や回答も多いなかでしたが、齋藤名穂さんはハリエットさんや参加者の方の意向を丁寧にくみ取り、通訳をしてくださっていました。


ハリエットさんと斎藤さん

制作中の風景

制作風景

制作中


最後の40分ほどは、再びエクササイズの時間です。
まず行ったのは、4、5人のグループを作り、昨日作成した冊子の残ったページに、みんなで絵を描いていくというものです。ひとつめは「汚い(dirty)と思うもの)」、ふたつめは「あなたの愛するもの」を描き、それ以降は冊子を回して自由に描いていきます。他の誰かが描いた絵と重ねたり、つなげたり、全体のコンポジションを見ながら描き足していきます。そのページが完成したと思ったタイミングで止め、戻ってきた自分の冊子の絵にタイトルをつけて完成です。慌ただしく冊子を交換しながら、皆さんいろんなものを書き入れていきます。交換していくうちに汚いものと思って描かれたものが、別の誰かの手によってまったく別のものに変わっていったり、逆にその汚いものを生かした新しい世界観が生まれたりと、皆さんにとっても思いがけない変化があったようです。
その後には「全然好きじゃない人がなにか物体だったら」を想像して描いたものを壁に貼るというワークも行い、この日のワークショップは終了となりました。

ハッピーな物語と、悲しい物語。汚いものと、愛するもの。ハリエットさんはこの2日間を通じ、そういった両極端のものを組み合わせることで生まれる新しい何かを楽しもうと誘ってくれています。制作中にアドバイスをする際も、変化を恐れず、さまざまなことに挑戦してみるよう促されていました。
明日はついに最終日。3日間で絵本をつくるという非常にハードな課題ですが、どんな絵本ができるか今からとても楽しみです。

みんなで絵を描く

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