2016年8月12日 夏の教室1日目

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ページ番号4000896  更新日 2020年1月28日

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8月11日と12日は、恒例の連続講座「夏の教室」です。絵本評論家の広松由希子さんと当館副館長の松岡希代子が毎年テーマを決めてコーディネートをして、今回でもう13回目となります。今年のテーマはずばり「絵本が好き!」。絵本への深い愛情にあふれているみなさんを講師にお招きします。どんな熱いお話になるのでしょうか。

1日目の午前中は広松さんのオリエンテーション。今回なぜこのようなテーマとなったのか、これまでの「夏の教室」を振り返りながらお話くださいました。そして、参加者の皆さんに1冊お持ちいただいた好きな絵本を紹介をしてもらいました。それぞれの絵本にうなずいたり、表情を変えたり、絵本好きのみなさんにとって一番覚えやすい自己紹介だったのではないでしょうか。

写真:講座の様子1


その後、広松さんの好きな絵本のお話へ。「最初のコマだからぬるめに始める」とおっしゃっていた広松さんですが、やはり好きな絵本となると熱がこもります。幼児期から好きだった『うさこちゃんとうみ』や、学生時代に衝撃を受けたという『かしこいビル』などは、読み聞かせもしてくださいました。とはいえ、中にはまだ消化しきれていないという近年の絵本も。「好き」の種類もいろいろです。いくつかに分類しながら、広松さんの体験を交えて盛りだくさんにお話くださいました。

写真:講座の様子2


午後の最初は、丸善丸の内本店児童書担当の兼森理恵さん。幼少期からの絵本体験を少しお話いただいた後、書店員としての立場から絵本への愛を語ってくださいました。ベストセラーやマスコミで話題になる本に注目が集まりがちで、その一方で、いい作品であっても品切れや絶版になってゆくことも多いそうです。そんな中でも兼森さんは、ご自身が本当に好きな絵本や自信を持って薦められる絵本を売りたい、という強い意志を持ってお仕事されていて、お客さんとのやりとりや、作家とのエピソードなどもお話くださいました。

写真:講座の様子3


最後には、参加者のみなさんに「私だけが知っている」という秘密のある絵本を持ってきてもらっていたので、何人かの方にはその秘密を披露していただくと、個人的な体験や、作家が語っていたこと、絵のディテールなど、兼森さんに負けないくらいみなさん熱く語ってくれました。

写真:講座の様子4


1日目最後のコマは、絵本編集者で装丁家の小野明さんです。小野さんは子ども時代の絵本体験はなく、絵本との出会いは大人になってからだそうですが、人生のために絵本があるのではなく、絵本のために人生があるというほど、その愛は深いそうです。

写真:講座の様子5


今回の小野さんのお話は、「大人の深読み」がテーマ。好きな絵本については1冊で何時間でも語れるという小野さんですが、今日は1時間半で7冊もの絵本をご紹介くださいました。『いつでも会える』や五味太郎さん、ディック・ブルーナの絵本など、多くの人が知っている絵本を取り上げながら、よーく絵を見ていくことで多くの魅力を発見できることを教えてくださいました。最後にご紹介くださったのは『はじめてのおつかい』。物語とともに、絵を隅々まで味わい、解釈し、想像する。小野さんによれば大人は絵を読むのが下手。そんな大人のための、圧巻の「大人読み」でした。

3人のみなさんの深い絵本愛を受けて、ずいぶん濃い1日目となりました。お昼休みには副館長の松岡がボローニャ展のお話もして、参加者のみなさんは展覧会もご覧くださり、大忙しの1日だったのではないでしょうか。
真夏の2日間、板橋区立美術館に朝から夕方まで通う40数人の参加者のみなさんの熱意も、かなりのものです。
2日目日も楽しみです。

このページに関するお問い合わせ

板橋区立美術館
〒175-0092 東京都板橋区赤塚5-34-27
電話:03-3979-3251 ファクス:03-3979-3252
区民文化部 文化・国際交流課へのお問い合わせや相談は専用フォームをご利用ください。