2016年3月8日 『子供之友』と武井武雄
婦人之友社『子供之友』原画展では、北澤楽天、竹久夢二、村山知義、武井武雄の4人の画家を中心に展示しています。今回は武井武雄を紹介しましょう。
こちらは、河井酔茗のリズミカルな詩に合わせて、風呂敷や箱の中から何が出てくるのか、まるで手品師のように披露してくれる男の子を描いた作品。デリケートな線描表現や子どもの表情には、この時期の武井らしい特徴が出ています。

1920年代より童画家として多数の雑誌や書籍で活躍した武井にとって、そのスタート点にあたるのが『子供之友』における仕事です。同誌では1920年代を中心に活動しました。武井は戦災によって若い頃の作品の多くを失ってしまったため、本展で出品している1920年代の原画は大変貴重な作例です。ぜひ会場で、武井の繊細で美しい描線や、瑞々しい色彩を間近にじっくりとご覧ください。
現在の長野県岡谷市に生まれ育った武井は、東京美術学校時代から池袋近くに暮らしていました。戦中に郷里に疎開しますが、戦後は板橋区南常盤台にアトリエを構え、同地で亡くなるまで過ごしました。板橋区立美術館にとっては、区ゆかりの画家でもあります。
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