2016年6月28日 日本の近代美術を行って見る 第3回
6月25日(土曜日)に鑑賞講座「日本の近代美術を行ってみる」の第3回目を行いました。
今回は新宿区立中村彝アトリエ記念館と新宿区立佐伯祐三アトリエ記念館に行き、新宿歴史博物館の学芸員の守屋賢一さんにレクチャーしていただきました。
中村彝アトリエ記念館は下落合に残る彝のアトリエを復元・整備し、2013年年3月から新宿区立中村彝アトリエ記念館として公開しています。
中村彝(1887〜1924)は、中村屋裏のアトリエを出た後、1916年に下落合にアトリエを新築しました。病弱であったため、あまり屋外での制作はせず、アトリエの中で絵を描くことが多かったようです。
こちらのアトリエ記念館は、元々使用されていた木材や瓦などを生かして建てられたため、彝の生きていた頃の風合いを感じられます。
中村彝アトリエ記念館のご近所には2010年に開館した佐伯祐三アトリエ記念館があります。
佐伯祐三(1898〜1828)が一旦日本へ帰国した1926年からもう一度パリへ向かう翌年までの間に過ごしたアトリエです。
上の写真の場所は、実は元々は隣接する母屋の内部だったようです。
その他にも佐伯が大工仕事にはまって作ったといわれる小部屋も見学できます。また、アトリエ真上にあった屋根裏部屋では、佐伯が仲間たちとすき焼きをしたというエピソードもあり、当時の佐伯の暮らしを身近に感じることができます。
ここで佐伯は下落合の風景を多く描いています。
たとえば、近所にあるこの道を描いた作品があります。詳しくはアトリエ記念館のミニギャラリーでご覧いただけます。
さらにこの後はオプションとして、新宿区立林芙美子記念館に行きました。
きれいなお庭には様々な植物がありますが、ほとんどが当時植えられたもののようです。
全3回をもって、今年度の鑑賞講座は終了しました。
参加された方からは、アトリエ訪問は初めてで、どのような制作をしていたのか分かったまた来てみたくなったなどというお声もいただきました。
池袋モンパルナスから下落合へは歩いて移動できます。
気候のよい時にお出かけになってみてはいかがですか?
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