2016年6月18日 当館の江戸狩野派作品が、祇園祭の菊水鉾に!

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ページ番号4000938  更新日 2020年1月28日

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7月の京都で行われる伝統の祇園祭。
菊水鉾町の山鉾の四方を飾る懸装品の傷みが目立つようになり、その新調にあたって、当館の作品を綴織で表現した幕が用いられることになりました。
菊水鉾町の古名が「夷(えびす)三郎町」だったことにちなみ、恵比寿様が描かれた狩野岑信「七福神図巻」の図像が採用されたのです。
監修は、狩野博幸氏です。

前懸・後懸・胴懸の計4面が4年かけて制作され、このたび全てが完成しました。
先日御披露目会があり、実物を拝見して来ました。

写真手前の後懸が布袋、奥の左面胴懸が福禄寿と寿老人です。
近くで見ると絵画そのままに濃淡や筆遣いなどが再現されていて技術の高さに驚きました。

写真:完成した幕1


右面胴懸は、毘沙門天と弁天です。4面の幕の制作では約500色の色糸を染め出したそうです。

写真:完成した幕2


前懸は、恵比寿と大黒天です。小槌を振る大黒天だけのように見えますが…
実は、左上の舟と烏帽子、釣った鯛が恵比寿を意味しているのです。
このように、持ち物などによりその人物を想起させる表現を「留守文様」と言います。

写真:完成した幕3


御披露目会場では、原図となった当館の狩野岑信「七福神図巻」の複製も展示されました。

写真:原図の複製


江戸狩野派の作品が京都の祇園祭を彩るとは、感慨深いものがあります。
菊水鉾再建60周年記念事業に関わった皆さまに心より感謝を申し上げます。
今後、山鉾巡行をご覧になる方は菊水鉾にご注目ください!

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板橋区立美術館
〒175-0092 東京都板橋区赤塚5-34-27
電話:03-3979-3251 ファクス:03-3979-3252
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